きっとここで君に出会うために



俯いていた顔を上げたら、困惑したお母さんの顔。



こんな顔させたいわけじゃないのに。


いつも笑っててほしかっただけ。



耐え切れなくなったあたしは今来た道に走り出していた。


「響ちゃんっ!!」



後ろからあいつの声が聞こえたけど、

振り返れない。

立ち止まれない。



今振り返ったら、立ち止まったら、泣いてしまいそうで、

とにかくただ走っていた。



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