きっとここで君に出会うために
「おーい。シカトかい?」
あたしの目の前まで来て、耳元で話す。
「やめてー。頭に響くー」
あたしから出てきたのはすっごく弱々しい声。
うわー、今日は重症だ。
いつもはここまでじゃないのに。
「だから、早く寝なよ」
「うー」
もう喋ることも億劫だ。
愛弓は呆れたようにため息を吐いた。
まだ何か言いたそうだったけど、ちょうどよくチャイムが鳴ったので席に戻った。
それからの授業は机につぷっしたり、窓の外をぼーっと眺めなから過ごした。
4時間目が終わるころには怠さも治まっていた。