きっとここで君に出会うために
「失礼します」
誰かに聞こえたかもわからないような小さな声で呟いてから職員室に入る。
まっすぐに担任の教卓まで行くと、先生が振り返った。
「おぉ、来たか」
何か仕事でもしてたのだろうか、持っていたペンを置いて、
体ごとあたしのほうを向く。
「用事って何ですか?」
なるべく早く終わらせたいあたしはすぐに話を切り出した。
「お前最近遅刻が多いな。それに授業中もぼーっとしているそうじゃないか」
あぁ、そのことか。
あたしは夜に歌っていることがばれたわけではないと知って安心した。