きっとここで君に出会うために
なんだかあの部屋の前に立ったときのような息苦しさを感じて、
あたしは机の上に置いた鞄を掴み、すぐに教室を出た。
廊下に出ても息苦しさは消えなくて、
学校を出て外の騒音が耳に入ってやっと息をするのが楽になった。
車の走る音、行き交う人の話し声、靴と地面がぶつかる音、
いつもはうっとうしいと思うものが今は心地良かった。
一度深く息を吸い込んでから、家に向かって歩き出した。