ストロング・マン



「いらっしゃい。待ってたよー」


「「お邪魔しますー。」」



玄関のドアを開けてくれた奈美にお礼を言いながら家に上がると、下駄箱の棚に置いているディフューザーから上品でとても素敵な香りがした。

今日は奈美と旦那さんの新居に、私と修也2人で訪れていた。奈美たちの結婚式の日取りが決まり、私たちが2次会の担当をすることになったため、その打ち合わせに旦那さんとの顔合わせも含めて来たのだ。

奈美から話は聞いてはいたけれど、奈美がどんな人を選んだのかすごく気になっていた。






「初めまして、夫の和馬です。」


そう言って現れた奈美の旦那さんは、奈美に聞いていた通り、とても温厚そうで、笑顔が素敵な方だった。背は男性の平均くらいだろうか?痩せすぎず、太りすぎず、見た目も含めて、本当にこう言ってはなんだけど、普通な感じだ。

正直、奈美にしては意外かなあと感じた。高校の時の奈美の彼は年下のかわいい系が多かった。奈美がしっかりしているから、年下がとても似合うなあと思っていたのだ。聞くところによると旦那さんは5歳年上とのことで、これまた意外だった。

でも、このにこっと笑った時に抱く安心感。旦那さんにするならベストな方かもしれない。





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