粉雪
「“情報”って何?!
いい加減、教えてよ!!」


『…ごめん、ちーちゃん…。
あとちょっと…。』


そう言って隼人は、一度俯かせた顔を上げた。


そして、ハッキリと告げる。



『来週には、全てカタが着くから!
それまで待って欲しい。』


「―――ッ!」


覚悟を決めたようなその目に、あたしは何も言えなくなった。


あとちょっとだけ待てば、全てを教えてくれるのかな。


そしたらまた、あんなに幸せだった日々に戻れるのかな。



「…わかった。」


そしてあたしは、ゆっくりと言葉を続けた。


「来週までは、何も言わないし、何も聞かない。
その代わり、全てが済んだらあの女はあたしが殺す!」


『―――ッ!』


瞬間、隼人は目を見開いた。


だけど、あたしの決意は変わらない。


そっと隼人は、あたしの頬に触れて。



『…ちーちゃんの手は煩わせないから。
大丈夫、何も心配することはない。』



何もかも終われば、あたし達は元に戻れるんだと信じていた。


きっとそれは、隼人も同じだったと思う。


そんな風に思っていたはずなのに。


この計画は、どこから狂っていたの?


あたし達の運命を狂わせたのは、一体誰…?



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