桃色の1ページ
「これ、やるよ」
あの幼い日に、初めてもらったプレゼント。
それはそれは綺麗で。
「ありがとう」
満面の笑みで樹にお礼を言ったっけ。
そのプレゼントこそが、綺麗な桜のペンダント。
* * *
「おまえ、マジで忘れてたな?
俺が幼さ故に、緊張しまくった告白の結晶をバカにしたな?」
「いや〜、瞬間的なド忘れ?みたいな〜」
「瞬間的て………。
もういい。
おまえになんか、もう何もやんねー」
「あははは、樹が拗ねてる〜。
可愛い〜」
「うるさい!」
忘れてしまった思い出は
ひょんなことから
動き始める。
そう。
今のあたしたちみたいにね。
.