桃色の1ページ





「これ、やるよ」



あの幼い日に、初めてもらったプレゼント。



それはそれは綺麗で。



「ありがとう」



満面の笑みで樹にお礼を言ったっけ。





そのプレゼントこそが、綺麗な桜のペンダント。





* * *





「おまえ、マジで忘れてたな?

俺が幼さ故に、緊張しまくった告白の結晶をバカにしたな?」



「いや〜、瞬間的なド忘れ?みたいな〜」



「瞬間的て………。

もういい。

おまえになんか、もう何もやんねー」



「あははは、樹が拗ねてる〜。

可愛い〜」



「うるさい!」










忘れてしまった思い出は

ひょんなことから

動き始める。






そう。

今のあたしたちみたいにね。





.
< 27 / 29 >

この作品をシェア

pagetop