モノクロ
「九条さんらしいね。」
「へ?」
何が?
どの辺が九条さんらしいの?
「お互い好きでいられるために別れるって…そう簡単に言えることじゃないよ。
きっとそれだけ涼子のこと大事なんだよ。」
「やっぱり大人だよね。」
そっか…あたしたち、世間から見たら幸せなのかな?
だけどあたしは辛い…自分で決めたことなのにね。
やっぱり九条さんに会いたいと思ってしまうんだ。
それはあたしが子供だから?
大人になるのなんて面倒だってずっと思ってた。
…でもなんだか、今は早く大人になりたいよ。