モノクロ
「あれ…もしかして噂の涼子ちゃん?」
「え?」
九条さんの隣にいた大学生が口を開いた。
…噂のって?
あたしが不思議そうな顔でもしていたのか、再び口を開いた。
「遥斗のやつ、モテるのに、誰とも付き合おうとしないから。
そしたらすごく大事な子がいるって…一人前になるまで、迎えに行けないんだって。」
「おい、啓介(ケイスケ)!」
九条さんが顔を真っ赤にしてる。
九条さん…そんなこと言ってたんだね。
なんだかホッとした。