モノクロ

「く…九条さん!
…ちょっと苦しいですっ。」

あたしは、手を止めて包丁を置いて言った。



「や…離したくない。」

「九条さんっ!」

「やーだ。」




ギューッ

九条さんは、余計強くあたしを抱きしめた。





「もう…止めてくださいっ。
夕飯作れないじゃないですかっ。」

「ごめんごめん。」



「ちゃんとじっとしてて下さい!」

あたしは九条さんの手を引いて、ソファーに座らせた。






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