モノクロ

「…あんまり強がんなくていいよ。」

「え?」

九条さんの言葉ひとつひとつに、あたしの心は癒やされていくんだ。




「九条さん会いたいです。」

「俺も会って涼子を抱きしめたいよ…でも涼子の体の方が今は大事でしょ?
だから涼子が元気になるまで、俺我慢するから。」


もう…九条さん!
すごく恥ずかしいってば。



「…じゃあゆっくり休んで。
おやすみ。」

「おやすみなさいっ。」


九条さんの優しいおやすみに顔がほころぶ。


九条さんの声を聞いただけで、なんだか今夜はぐっすり眠れそうな気がする。


あたしはシャワーを浴びて、再びベッドに入ると、あっという間に睡魔に襲われた。





< 80 / 167 >

この作品をシェア

pagetop