続〃ねこ笛日記
秋の終わりの、ある日。
私達が生まれてから、
雨の日も、風の強い日も、 台風が来た時も、休まずに 来てくれた…
母さん〃


もうすぐ冬が来るからと… 違うところへ引っ越しなの。

ここからは、もう少し山の向こうへ、住むことになったのよ…


でも、本当の理由は別にあるのよ…


本当の理由はね。
母さんが、私達にエサを、 やっているのを叱られたの…

『この下の家の人がなあ、 猫が来て困る…
あんたがエサを やるからや!
どこかへ、捨ててきて』

母さんは、そんなふうに、 言われて、叱られたの…


だから、母さんは言ったの あの人に捕まったら、
どこかへ連れていかれるから、早くどこか人目につかない場所に移ろうね…


そんな理由で、私達の大移動が始まりました…


まず、母さんが歩きだしていた。杖をコツコツ鳴して合図した…


『こっち、こっちよ〃』


すると、シロ母さんが歩きだしていた…


続いて、私達がついて行く…

お兄ちゃんのタロウとクロはピョンピョンはねて、 スキップしている…


ウサギさんみたいにね。
きっと、嬉しいのよね…


今までいたところからは、 谷がひとつ向こうなの…


移動行進は、もう大変だった。一度、山の上の方に、 上がってから、又降りて行くのよ…


母さんは、私達を呼ぶために、コツコツ、コツコツと、杖を鳴らすの…


だってね、移動の途中に私達が、草むらに入ってしまうと、見えなくなるらしいの…


私達には、よく見えているのだけれど…


やっと、たどり着いた所は とっても…
いいところだった~
< 10 / 37 >

この作品をシェア

pagetop