続〃ねこ笛日記
小さな命
初夏のある日、天気雨。
今日は明け方から雨が降り、山の木々の葉は、雨つゆに濡れて重たいとでも言うように、ずいぶんと垂れ下がっていた。


私はその葉をかき分け、山を登る…
しかし、頭からビッショリと、濡れてしまう…


たから、山を登るのにカッパを着て、レインハットをかぶる。そう言えば…


モダンでいいが、農業用の布の帽子に、ゴミ用の透明ビニール袋を切り開き、 貼り付けたものだ…


杖をつかないと登れないから、そういう格好になったのだが、ほんまに面白い格好だと思う…


『笑いたい人は、どうぞ 勝手に笑ってください』

私は家を出る時、そんな気持になりました。


いよいよ階段…
一段一段、ゆっくりと登る。滑らないように…


胸の中にいろんな思いが、 湧いてきた。今日のような雨、それに雷も雪も私は
大嫌いだ…


この山の多くの命が失われるからだ。特に今日の雨は生まれて日も浅い子猫たちにとっては、悲しい雨だ…

子猫たちは、雨に濡れてしまうと体温が下がり、死んでしまう…


今までに、生まれた子猫のほとんどが、雨で死んだ…

生まれた当初は、じっとしているのだが、そのうちだんだんと、動き回るようになり、す穴から出て遊びに行くようになる…


そんな時、母猫は居なくなった子猫を必死になって探します…


子猫を必死で呼ぶ声は~
〃ニャァ、ミャァ〃
なんとも、いえないような 叫び声に聞こえます…
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