好きだから、別れよう。



昨日から学校は夏休みに入った。


電車に乗ることもない。


いつもの車両のいつもの席から、マサキさんの姿を探すこともない。


マサキさんの姿を探して、
毎日確かにそこにいたマサキさんの姿がなくて、

苦しくて

哀しくて…


…涙を流す必要も、ない。






――だってさ。

ずっと、ずーっとあの車両に乗ってたんだよ、

マサキさん。

私がマサキさんの存在に気付いたときから、毎日ずっと。





それなのにさ…





私がアドレス渡した次の日から、

急に会わなくなったんだよ…。




乗る電車を変えたのか…

乗る車両を変えたのか…

それはわからないけど…。



でも、これだけはハッキリわかるよ…





『マサキさんは、私を避けてるんだ……』








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