先生
「彩花大丈夫ー?声、風邪っぽいで?」
由香里は心配そうに、彩花のおでこに手をやった。
「そやな、なんかだるいし、ちょっと保健室行ってくるわ」
西本先生の彼女の話で持ちきりの教室。
彩花は、ここに居続けたら泣いてしまうと思い、ひとり保健室へ向かった。


「失礼しまーす」
保健室には生徒どころか、先生すらいなかった。
彩花は先生の机に「一ノ瀬彩花、体調悪いのでベット借りてます」と書いた紙を置いて、カーテンでしきられた中にあるベットにゆっくりと潜った。

< 12 / 118 >

この作品をシェア

pagetop