先生
寒さはさらに増し、冬休みまで残すところ1週間になった。

「クリスマスパーティーしたいなあ」
「受験生やし無理やろ〜。パーティーなんかしてる場合じゃない」
「やんなあー」

今日は久々に体育の授業。最近廊下で会っても喋ることがなかった先生と、喋れるチャンス!
彩花は友達と体育館に向かいながらワクワクしていた。

友達とクリスマスの話をしながら歩いていると、先生に会った。

「えぇなあ、お前ら。俺はクリスマスもバレー部や」
先生は彩花達の話をきいていたみたいだった。

「アハハハっ、でもあたしらも受験生やしクリスマスも勉強やで〜」
「えぇやんクリスマスぐらい。1日勉強しやんでも大丈夫やって!中学最後なんやから早く彼氏みつけやな」

先生は笑って言った。

先生、、、あたしがクリスマス一緒に過ごしたいのは先生だよ?ば〜か。

本音は胸の奥に隠して、彩花は笑ってこたえた。

「先生こそクリスマス一緒に過ごす彼女おんのー?」頭の中を、美羽がかすめた。
「部活も遅くて夜の6時ぐらいにはおわるんやで、彼女おらな寂しいクリスマスやん(笑)てか、一人暮らしなんやからほんまに寂しいやんっ(笑)」
彩花はいたずらっぽく笑った。
「うっさいわ(笑)」
先生との久しぶりのやり取りに、彩花は幸せだった。
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