先生
学校が終わり、彩花は友達と帰り道をとぼとぼ歩いていた。
「うちらもうすぐ受験やで」
「うん」
彩花たちの会話は最近、友達同士でも、受験一色になっていた。
口を開けば、出てくる言葉は不安ばかり。
何度同じ不安の言葉を口にしても、不安が消えることはなかった。
それと、彩花にはもう1つ悩みがあった。

それは、高校でバレーを続けるかということ。
バレーは、小学生のころからしてきて、好きなスポーツ。
中学に入ってからは、西本先生のお陰でさらにバレーが好きになった。
部活を引退した今でも、変わらずバレーは好き。

だけど、高校でバレーをすることには抵抗があった。
高校では今よりもさらに練習は厳しくなるだろうし、さらに上の技術も求められる。
技術面でも精神面でも、ついていける気がしない。
でも、高校でバレーを続けなければ先生との繋がりもなくなってしまう気がした。
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