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歯を缶詰に食い込ませた。
「よ~し開いたぞ」
ギザギザになったアルミの蓋をこじあけて逆さまにした。
「あれ?おっかしいな~!出て来ない」
缶詰の底をポンポン叩くと何かカラフルな色彩がポトッと皿に落ちてきた。
「なんだぁ?」
正吾はフォークでそれを転がすと「うぎゃっ!痛いではないか」
なんとそれは着物姿の小さな女の子であった。
「う、うわぁ!なんだこれ?人形か!?」
皿の上で仁王立ちになっているその小さな女の子に正吾の目は釘付けになった。
「はぁ?何を言っとるんじゃこの人間は。弁財天、つまりあんたたちの言うところの神様じゃぞ」
正吾は開いた口が塞がらないでいると「おまえ!私を選らんだなんてラッキーじゃぞ。これからのおまえの人生はまさにエキサイティングじゃ!」ガハハと笑う彼女を横目に正吾は途方にくれていた。
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