フミキリ.
「セッセセセセセーーフ!!」
「何語だよ。」
「日本語だよ!!」
「ぶっぶー、英語でした。」
「うるさいっ」
慌てすぎてどもってしまった事にツッコミを入れられた私が怒ってその人物を睨むと、そいつは「コワいコワい」と言いながら馬鹿にしたようにヘラヘラ笑った。
キーーッ!ムカつく!
「つうかさぁ、俺に礼はないワケ?」
「何を偉そうに!」
「ギリギリセーフでフミキリ渡れたのは、誰のおかげだったかな?」
「全力疾走したこの私。」
「ふざけんな。」
「...ぁだっ!」
むかついたから逆に偉そうにしてみたら、叩く変わりに小石を投げられた。
地味に痛いんですが!
私も反撃しようと、さっき私にあたった小石を拾ってそいつになげたけど、それはそいつの体をすり抜けて地面にカツンと音をたてて落ちた。
「残念でしたー。
俺は幽霊だからあたりませーん。」
「キーーッ!!」
舌をべーっと出されて私はまた馬鹿にされる。
そうだった。
彼...修司は、幽霊なんだった。
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