恋するシンデレラ







・・・うわ。

どうしよう。

緊張する。


右には。

ゆ、優斗が。


王子様の優斗が・・・!



「うーい。

んじゃ、もうちょいくっついてくれるかな?」


えっ。

こ、これ以上?


これ以上ですか!?



ただでさえ、近くて。

隣は完璧な王子様だから。


もう、心臓壊れそうなのに。





む、無理!








「だってさ。

奈々美?」



うわぁ!

顔覗き込まないで~。


思わず下向いて目をギューッと閉じる。






キュッ













「え・・・?」





「近づけって言われてんだから、近づけよ。」






右手があったかい。


少し引っ張られた私は、大人しく近づいた。



「・・・できんじゃん。」



悪戯に微笑む優斗があまりにかっこよくて。



また、頬が染まる。




「はいはーい。

いちゃつくのはそんぐらいにしといてねー。


撮るよ〜。







ハイ、チーズ!」







合図と共にフラッシュがたかれる。









「って、ちょっと。

二人共笑って?」


呆れ笑いされて。

また撮り直しになっちゃった。



< 151 / 304 >

この作品をシェア

pagetop