1Rの彼女*番外編*
急いで顔を洗い、服を着替え、メイクをする。

本当はこの前買った、リボンが付いてるカワイイデザインのショートパンツはきたかったんだけどなぁ。


こーいう短いヤツ、タク嫌いみたい。

「そんなに脚出さないの!!」なんて言って。

なんか、お母さんみたい。



アタシにしては、かなーり珍しくそして早く用意を整えた。
いつもなら、タクがアタシの部屋に迎えに来る。
当然そのトキのアタシはスッピンでパジャマ姿。



よし、準備オッケー☆

玄関の鍵をかけアタシは隣の家のチャイムを鳴らす。
いつものように住人が扉を開ける前に、アタシが扉を開ける。



「タクー、おはよー。」


アタシがそう言うと、部屋から出てくるの。
とっても穏やかな顔で笑いかけてくれる。


「おはよう、結子さん。ゴハンの用意出来てますよ。」

って言って、手を繋いでくれる。
小さな部屋までの、ちょっとしたエスコート。

ほんのちょっとの距離だけど、とっても嬉しいんだよ。
タクの隣にいると、お姫様の気分になれるんだ。


ちょっとゴツゴツした、大きな手。
あったかくって安心する。



こんなコトを想像してたのに。
いつもだったら、そうしてくれハズでしょ?


なのに、なんで…?



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