明日へ架ける花
始まり
『ゴメン』
風が吹き抜ける。
『悪い』
何て言ったの?よく聞こえないよ?
『バイバイ』
純の優しい目が瞬きをして弓なりにしなる。
なんでいつもと変わらない顔をしているの?
『バイバイ、桜』
あたしの目は瞬きもしない。
伏せもしない、
いつもと変わらない、
無感覚な顔であなたの背中だけを見つめていた。
純が左手に持ったままの卒業証書を振る、その背中を。
ピンクの花びらが舞う中で。
風が吹き抜ける。
『悪い』
何て言ったの?よく聞こえないよ?
『バイバイ』
純の優しい目が瞬きをして弓なりにしなる。
なんでいつもと変わらない顔をしているの?
『バイバイ、桜』
あたしの目は瞬きもしない。
伏せもしない、
いつもと変わらない、
無感覚な顔であなたの背中だけを見つめていた。
純が左手に持ったままの卒業証書を振る、その背中を。
ピンクの花びらが舞う中で。