その男、草食系につき。

「桜木氏って本当に得だよね。羨ましいわ。」


「とく?」


「なんでもない。こっちの話。ところで桜木氏のトコにも高校の開校五十年記念式典のハガキ来てた?」


「ああ!きてましたよ。そうだった。百合子先輩誘おうと思ってたのを忘れてました。」


「私?なんで?」


「?なんでと言われましても…なんとなく…だったんですが…ダメでした?」


「いや、ダメじゃないけど桜木氏と同じ学年のコと行った方がよくない?私なんて同じ学校といったって一年だってかぶってないんだから。」


「そんなことないですよ。百合子先輩と話してるの楽しいですから。どうですか?」


「わかったわよ。そんな風に言われちゃうとね。でも!当日はしっかりエスコートしてくださいませね?」

「もちろん。あとそうだ、先輩の携帯番号とアドレス、まだきいてなかったんで教えてもらってもいいですか。」


「ああ、うんそうね。そういえば知らなかったわ。赤外線でいい?」


「はい。日にちが近くなったらメールしますね。」
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