その男、草食系につき。
結局、私の隣と部長の隣に先ほどの争いで熾烈な戦いを繰り広げていた受付嬢と、秘書課の女性がそれぞれ座った。

たいした知り合いでもない人たちに囲まれ、それどころか王子の向かいの席ということで周りの視線がおそろしく痛い。

おかしい。
仕事の収拾がつかなくて遅れてくる部署のメンバーの座席確保のために先に送り込まれたというのに…みんな、ごめん。

きっと私は悪くない。

たぶん全部王子が悪い。


心の中で全ての責任を目の前のイケメンになすり付けることにした。

そうでなければあまりにいたたまれない。
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