この想いを君に…
あの日、大慌てでバイクでサーキットを後にした総一を見て

『頼むから事故だけはしないでくれ』

と祈った祥太郎。

いつもとは違う雰囲気の中、撤収作業をして、ふと見上げた空には美しい満月があった。

家に向かう途中に電話があって、子供が生まれた、と。

まだ中学2年だった祥太郎は車を運転していた父に注意されるくらいはしゃいでいた。

そう、あの時も。

美しい月だった。
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