そして海の思い出を胸に
私には……そんな資格、無い。
「私、ズルイ人間なんだよ。
最初の数ヶ月は、いつか僚二が戻ってくるかもしれない、って思ってた。
傍に居ないのが淋しかった。
でも、1年が経ち、2年もすると……もう、戻って来ないんだなぁ……って、実感してきて。
段々、僚二が傍に居ない生活に慣れてきちゃって……。
私が僚二の人生を奪ったのに、私1人が普通に生活している」
「それでいいんだよ、美雪」
頭の上から、涼の優しい声が響いた。