そして海の思い出を胸に
私が急にボールを片付け始まったので、涼さんが呆然としているのが、チラッ、と見えたけど、気にしないようにしていた。
ボールの入ったカゴを倉庫に片付け、ゴールを上げる鎖を引っ張りゴールを上げていると、やっと涼さんは我に返ったようだった。
「どうしたんだよっ」
少し怒ったような口調でそう言った。
無視していると、涼さんはツカツカと音を立てて歩いて来て、ゴールを上げている私の手首を掴む。
「美雪っ!」
止めてっ!
僚二と似た声で、私を惑わせないでっ!
あなたは僚二じゃないでしょっ?!