お姫様と靴磨きの男


「…さらばだ。ラミアス。」

「ええ。」


その後、
私は大臣に
連行されて
城に帰った。


帰る途中で私が
脱走してからの
城の状態をグチグチと
話していたが、

私の頭は他の事で一杯だった。


…すまぬが大臣。

お前のお説教を
聞くのは今度にしたい。

私には今日、
まだすべき事が
残っているのだ。


大臣の説教はもはや
外の音と共に
聞こえなくなっていた。
< 34 / 50 >

この作品をシェア

pagetop