禁断トライアングル

冷まさなければいけないんだ

遂に、真結にまで言ってしまった。


「俺、結弥君が好きなんだ」


真結は、ぽかんと口を開けた。


さっきまで、真剣に、切実に話していたのがうそみたいに、ぽっかーんって。


「真結?大丈夫か?」


「だ、だだだってお兄ちゃんが、結弥のこと好きって……本気なの?」


真結……舌がまわってない。


「本気だよ。っていうか、さっき告白しちゃったし」


もう、いいや。


可愛い妹が、全部苦しかっただろうに話してくれたんだ。


俺も、全て吐き出そう。


例え、嫌われても。


「……ほんと、なんだ」


「俺はお前にうそつかないよ。


自分でも驚いた。今まで普通に恋をしていたのに、結弥君見た途端、一目惚れしちまって……しかも、妹の彼氏にさ。マジで病気かと思ったよ。でも……」


「でも?」


「もう、それも終わりだ。さっき、告ったって言ったろ?その時さ、なんか、結弥君抱きしめちゃってさ……すっげぇ傷つけちまったんだよ」


「……うん」


「もう、見せる顔がねぇもん、俺。それに、拒否されたんだ。そんでもって、拒否されて、スッキリしたんだ。あぁ、やっとこの気持ちから解放されるんだーってさ。結弥君にはすっげぇ悪いことしちまったんだけど……」


「そっか……話してくれて、ありがとう」


真結こそ……


こんな俺に、そんな優しい声で、瞳で、向き合ってくれて、本当にありがとう。
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