『短編』思惑〜オモワク〜
 

「結衣ちゃん、具合はどう?」


花束を持った京香が顔を出した。


「京香さん。ご迷惑をおかけして、本当にごめんなさい」


「いいのよ。でも本当によかったわ」


安心したように京香は笑顔を見せた。


「京香ちゃん、結衣を見つけてくれてありがとう。感謝するよ」


聡が京香に深々と頭を下げた。


「……当り前のことをしただけよ。それより、」


「それより?」


質問する聡に諭すように京香が言う。


「聡さん、これからは一人の人を大切にするようにして欲しいわ」




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