君がいた…
そんな中―

宏史と俊樹は

ボールを蹴りあっていたのだが…

「あっ!やべっ」

俊樹が叫ぶと

ボールは

宏史を飛び越えていってしまった…

「お前…どこ蹴ってんだよ!」

俊樹に怒鳴りつける宏史

「わりぃ 」

顔の前に手を持っていき

“ごめん”のポーズをとる俊樹を見ながら

「ったく…」

と つぶやき

ボールを追う宏史―

コロコロと転がるボールが

誰かの足元で止まった。

ゆっくりとあがっていくボールを

目で追う宏史―

ボールは胸で止まったが

宏史はそのまま

目を上へと移動させた。
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