二重人格弟に溺愛中



本当の父さんの顔は忘れた


あまりにも小さい頃の事だったから……


きっと、普通の息子がこんな事を聞いたら怒るかもしれない


間違ってるかもしれない



でも、聞いとかないと
後戻り出来ない気がするんだ


「な、何言ってんだ…
当たり前だろ?」



「じゃあ…俺の両親の事話して?
知りたいんだ」


記憶が曖昧だから
知りたいんだ……


「圭……なんでだ?」



父さんはあまりにも
突然のことに驚きを隠せない様子

そりゃそうか…


「単に知りたいんだ。
こうやって今ここに居れるのは
父さんや母さんのお陰。


でもこの世界に存在できるのは
もう一人の父さんや母さんのお陰だから…」




「はぁ……こういう時がきたか…」


父さんは予測してたのだろうか…

いつかは俺が聞くことを…


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