運命



その時だ。



「佐々木!」


涙で歪み、誰だかわからない。

「広!?」


あ・・・・
そっかぁ。

佐々木を振った奴って広だったんだ。

佐々木の反応でわかった。


じゃあ、何で振ったくせにいまさら来るんだよ。


その疑問は、すぐに解けた。



「・・はぁ、よかった。まだいた。」



汗をかき、必死に走って来たのがわかる。

安堵の表情を見せると同時に愛おしそうに佐々木を見つめた。


何だ・・・・。

両思いかよ。




「ってあれ?
徹!?」


「よ。」


やっと気付いたか。





遅ぇんだよ。



俺は『なるほどな』と言うと

広の言葉も聞かず、走り出した。







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