切なさに似て…
そんな“冷たい”私が。

誰だか素性もわからない人と携帯の画面上で仲良くなって、2ヶ月も経たない内に『会わない?』と、さっちゃんに誘われ会うことになった。

全く乗り気はなかったけれど、会うくらいならいっか…。

それがきっかけ。


元々、友達の人数は数少く、本当に親友なんて呼べるのは過去にも未来にも1人しかいないと思っている。

交遊関係の狭い私が、新規開拓をしようと考えた理由。

長い夜明けの時間潰し。なのに、沸々と生まれる焦燥感。


この苛立ちは生理前だからとか、そんな単純なものではない。



“友達”って、こんな煩わしいの?

いまや付き合いはないけれど、高校時代の級友たちはもっとサバサバしてて、ほどよい関係。楽しかったし、一緒に遊んでてもこんなに疲れたことなかったけどなぁ。


ドラマの中でだって、もっと賑やかで、ワイワイくだらないこと言い合って、笑い転げている。

たまにお酒の力借りて、シリアスになって真面目なこと言ったりなんかして…、っていうのが私の理想なんだけど。


こんな欝陶しいもんなの、フツー…?

お互い細部まで褒め合って。

思ってもいない上辺だけの言葉を並べ立て。

あいつがどうした、どいつがこうだと、知らない人の話。

笑いのない取るに足りないガールズトーク。


回を重ねる毎に私は、ほとほと閉口していった。

いつも同じ話しばかりで飽き飽きする。

それでも、時間が潰せれば誰が相手でもよくて、こうして相手してもらってるから、なんにも言えない。


そういえば、私…。

“友達”なんて必要ないんだったっけ…?


いらないんだよね…。“友達”も“彼氏”も…。

飛び出そうとしたのが、そもそも間違いだった。
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