切なさに似て…
明日、澤田さんに教えてあげようかな…。

白崎さんが感謝してましたって言っていたこと。


馬鹿なこと言ってないで手を動かしてちょうだい!!なーんて、一喝されそうだけど…。

そんな澤田さんの様子が目に浮かび、一人歩きながら笑ってしまった。


私と白崎さんは、解り合えたわけじゃない。

お互いの想いがわかっただけ。話さなきゃわからないことはたくさんあって。だからといって全てを話せば理解できるというわけではない。


少し近づいただけだ。

誰にも言えず、自分の中でひた隠しにしていた事柄を。聞いてもらったことで、何かが変わったはず。

その何かは、白崎さんにしかわからないし。私にしかわからない。


…ちっとも、変じゃない。

カッコ悪くなんかない。

バカみたいじゃない。


“そんなに想われている彼は幸せですよねー”


ねぇ…。信浩?

信浩を想い続ける私の存在は、迷惑じゃない?

彼女の言う通り…、幸せなの?


この答えは信浩にしか出せないんだけど?
< 240 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop