着信メロディ
ある日メールで久保田が、
<ねぇ、明日バスから降りたら
少し話して帰らん?(ハート)>
って言ってきた。
私たちが降りるとこは、
大きい駅のバス停で、
話す場所は結構ある。
電話やメールはよくする私たちだけど、
学校での会話はまったくなくて、
直接会って話す、というのも
少ししかなかった。
だから私はすぐ<いいよ>と返信した。
次の日、帰りのバスから降りて、
久保田は口パクで
『こっちこっち』
手招きで呼んできた。
私もすぐ久保田の近くまで行って、
階段を上って大きなベランダにきた。
『人おらんしぃぃやろッ』
ニコっと笑って久保田はベンチに座った。
そしていろんな話題を楽しく話してた。
『てか、前田達、もうキスしたげな!』
『えぇ!?前田達が!?』
前田達…というのは、学年で一番長く
続いているカップルのこと。
落ち着いてるカップルで、
もう4ヵ月らしい。
でも・・・1年生でキスするんだ…
『すごいね~。やっぱ前田達ぃぃね。』
『俺たちも試してみる??』
『え??…』
『目つむって…』
・・・……まじですか??
2人の唇は、重なってすぐ離れた。