僕は彼女の事を二度愛していた
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少し早く家を出た。
昨日、彼女に会えなかったのは、もしかしたら彼女が乗り換える時間を変更したかもしれない、そう考えたからだ。
少し時間が違うだけなのに、朝の電車は人の乗れるような状態ではなかった。
「うわもあ。」
慣れない僕は、電車に押し込まれる時に、変な叫び声をあげてしまった。目の前のサラリーマンは、笑いを堪えるのに必死だ。
無性に恥ずかしくなった。
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