僕は彼女の事を二度愛していた
「先輩・・・。」
声をかけようとして、止めた。
(先輩、誰と話しているの?)
メグメグには、僕が独り言を言っているように見えたらしい。その時、僕はしっかり彼女と話をしていた。
メグメグには、僕がいじめにでもあっているような惨めな姿に、陽気で頭がやられてしまった奇人のような姿に、映っていた。
その姿を見て、メグメグは思い出していた。まるで、少し前の加藤を見ているようだと。
(先輩・・・加藤さんみたいになちゃった・・・。このまま、このまま逢えなくなっちゃうのかな・・・。いやだよ、そんなのいやだよ。)
そう思うものの声をかける事は、やはり出来ない。
< 137 / 264 >

この作品をシェア

pagetop