暗影の国のアリス


体がゆさゆさ揺れている
落ちている感覚がない

―誰かにお姫様抱っこされてる

ふと目をあけると

そこにはわたしが一番会いたかった人

アリス
「僕…くん?

ボク
「なあに?アリス

なぜか、涙があふれた

アリス
「僕くぅ…うぅ

僕くんは静かに
わたしの方を見て
つぶやいた

ボク
「一人じゃないよ、アリス

アリス
「…!

ボク
「僕がついてるから


やさしくつぶやいた
僕くんの言葉が
とても温かかった
そのまま疲れた体を
僕くんにあずけた

< 36 / 55 >

この作品をシェア

pagetop