人形と歯車
「良かったよ、忘れてるかと思っていた」


話を聞いた須藤がポツリ、とつぶやいた。


「忘れていたわけじゃない。ずっと気にはしていた。もう終わった話だと思っていたけど何か気になるんだ」


「実は俺も気になっていたんだ。久家の最後にとった姿が目にやきついてるんだよ。」


「あの夜に何があった??」


「ダダから言われて校門に回ったよ。で、何かを置くのが見えた。何かまで見えなくてさ…近付こうとしたら走ったから追いかけた。後は見てただろ?」


「うん。何に謝っていたんだ?もしかするとあれは坂上達にか?あるいは」


「ネコにかもしれないな。優しいやつだったからな」


「知り合いなのか?」

「坂上とは小学校の時に同じ少年野球クラブだったからな。そこに久家もいたよ」


坂上に話を聞こう、と決めた。
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