あたい彼女
「坊や、こんな夜中にどうしたの」

ユミは自分のことを棚にあげ、少年に聞いた。

「お母さんが、今日は愛人と逢う日だからお前は道端で指でもしゃぶってなさい、って追い出されたの」

寂しそうに言う少年に、

「そっか・・・じゃあ坊や、お姉ちゃんと一緒に死のうか」

ユミは少年の頭を撫でながら、ちからない笑顔を作って見せた。
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