花火
この際、必要のない物はなるべく処分していこうと思ったが、いざ整理を始めると、何が必要で、何が不必要なのかがはっきりしなかった。このままでは九割方の荷物が必要な物の部類に入ってしまう、そう思い、その審査基準を一段か二段高く設定した。今から来年の今日までを想定して、一度も使用しない物は不必要な物と決めたのだ。すると必要のなくなった物は沢山あった。いつか着るのではないかと思いながら、もう何年も袖を通していないジャケット、寝巻にすればいいと思い取っておいたTシャツ、もう何年も電源の入れられていない、何世代か前のゲーム機とそのソフト、売ってもいいが高が知れていた。読み掛けのまま、何年も話の進まない小説、暇な時に見よう、見ようと思いながら、結局暇でも見ることなかったビデオテープなどを、それぞれ分別してゴミ袋に押し込んで行いった。集中して作業をしていたせいか、辺りはすっかり暗くなり、時間は七時を回っていた。そして部屋の中央には、膨れ上がった二つのゴミ袋に、大人一人入れそうなダンボールが一つ並んでいた。唯でさえ狭い部屋を、さらに狭くさせる。だがこのペースで片付けて行けば、土曜までに間に合うだろう。
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