神威異伝
何故か、理緒はそんな十夜の姿を見て…胸が締めつけられるような感覚に陥っていた。
「ねぇ、十夜――……」
理緒が、十夜の名前を再び口にした瞬間……
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンッ!!
思わず耳を塞ぎたくなる程の、金属音が響いた。
その音が鳴り止むと同時に、日向が部屋に入って来た。
「十夜!!理緒!!起きたんなら早く朝飯を食べろっ、冷めるだろ!!?」
日向の右手には、お玉。
左手には、鍋の蓋。
先程の金属音は、日向が両手の物を思いっきり叩き合わせて、鳴らしていたのだ。