神威異伝
四章・ 黒狼の親子




――――……………



―――…………


――……

―…



ふと、頭に温もりを感じ十夜は微かに目を開いた。

微かに視界に映るのは、燃え盛る焚き火と地面……そして視界の端に見える自分の手。


明らかに、自分の手が幼い子供の様に小さい事に気づく。



それと同時に、見えるもの全てが横になって見える事から、自分が横向きになって眠っていた事と…


…今、自分が誰かの膝枕で眠っていた事にも気づかされた。

地面に横たわっている筈の頭が、柔らかく温かい事から……十夜は、嫌でも自分の状況を理解させられるのだ。

< 157 / 237 >

この作品をシェア

pagetop