神威異伝




さっき泣いていた理由を隠す為とは言え……暁に嘘をついたのを少し後ろめたく思っている十夜は、理緒の一言に言い返せないでいた。

理緒が小さく息を吐く。


「……まぁ、本当の事を言わないで良かった気もするけどね」
「だろ?やっぱりあん時はああ言うのが……」
「だからって、あたしを利用しないでくれる?」
「……悪ぃ」
「反省してるならそれで良し!!」


十夜は、少し恥ずかしそうに頬を掻いていた。

理緒は満足したのか、少し嬉しそうに見える。

そんな二人を見て、澪と日向は笑った。



……それから少しして、暁が今度こそちゃんと水を汲んで帰って来た。

夕日が沈む頃には、澪の作った夕飯をみんな笑顔で食べ。


空に星が輝く頃には、既に五人は眠りについていた……。


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