神威異伝
「あの高さから落ちて生きていたとは…驚きだな」
嘉禄が感心したように呟く。
理緒が声を張る。
「あんた…十夜の事知ってるの!!?」
「……十夜…?」
十夜の姿をまじまじと見つめ、嘉禄が首を傾げる。
そして納得したように、嘉禄は口元を歪めた。
「あぁ…、なるほど。お嬢さん達にはそう名乗ったのか……?」
「違う」
嘉禄の言葉を十夜が否定する。
そのまま、十夜は言葉を続けた。
「俺は十夜だ。…記憶が無くても俺は、俺だ」