神威異伝
理緒は、顔も上げないまま続けた。
「あたしをかばって、呪いにかかるなんて……大馬鹿」
「………そうだな」
理緒の言葉に、十夜は苦笑を返した。
包帯をびっしりと巻かれた左腕をのばし、理緒の頭にぽんっとのせる。
理緒の肩が一瞬…ピクリと揺れた。
そのまま十夜は、理緒の頭を優しく撫でる。
「でも良かった、理緒が無事でさ…」
これで理緒が怪我してたんじゃ、かっこつかねぇしな……と十夜は小さく笑った。
「十夜…」
理緒が小さく、十夜の名前を呼んだ。
膝の上に置いてある理緒の手が…微かに震えている。