10年目の告白~愛バージョン
3年目
二人はずっと

そこから離れなかった。

遊園地の敷地内には
入っているだろう、売店から。
すでにPM17:00

陽はまだ高かったが
遊園地に訪れる気配は
減る一方で

話に花が咲き続ける二人を除いては

帰途につく家族連れや
明日を見据えた老人会の団体が

遊び疲れて二人の前を通り過ぎて駅へ戻ってゆく。

「はい、お酒。」


缶ビールから缶チューハイに変わって
空き缶が並んだテーブル。

二人のとめどない、

いつまでたっても
そこをどかない
カップルにシビレをきかせたのだと思った。


売店の渋い年令の店員が
エメラルドグリーンの
“お酒”をふたつ。

透明の使い捨てコップに入れて
私たちのテーブルへ運んできてくれた。

あやしい。

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