恋愛スキル

許さねぇ-大輔


*゜・.


「え~!?俺が行くのかよ!?」


緋乃は一枚の手紙を俺の前に差し出すと、頭をちょこんと下げた。


「お願い!大輔!まだ電話機まで歩いて行けないの。先生今日も部活で居るはずだから……これ、渡してくれるだけでいいの。ね?お願い!」


「うーん……全く、しょうがねーなぁ」


「本当に!?」


俺が浅利宛ての手紙をしぶしぶ受け取ると、

緋乃は嬉しそうに満面の笑顔で、"有難う"と俺にはにかむ。


たとえ、ただの幼なじみでも、緋乃を笑顔にする事が出来るんだと、

俺はやっと気付き始めた。


ずっと、特別になりたいと思っていた。


その為に幼なじみという中途半端な関係を、憎み捨てたいと思った事もあった。


だけど――――


こんな笑顔が見れるんなら、


幼なじみだって捨てたもんじゃねーと思えてきたんだ。




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