恋愛スキル


浅利は珍しく職員室に居て、パソコンをいじっていた。


「浅利先生!」


緋乃が声をかけると、浅利は「おぅ!」と振り向き俺達を見た。


「日誌だな」


静かに日誌に目を通すと、浅利が俺をチラッと見る。


「昼寝かぁ~、俺の授業でやらかしたら、長澤の顔を芸術的に俺がペイントしてやるからな!」


浅利はニッと笑うと 、緋乃と俺の額に何やらシールをペタリと貼った。


「お疲れサン。もう帰っていいぞ」


俺と緋乃はシールを剥がすと、礼をして職員室を出た。


見ると、金色のシールには“よく頑張りました!"と花丸が書かれていた。


……ガキ扱いかよ!


そう思った俺とは対象的に、緋乃は嬉しそうにシールを見つめていた。



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